Carl Meyer Speed 60mm f1.5
 

Lens Data

Lens Unit

Lens Photo

製造メーカー:unknown orderd by Burke & James
設計者:不明(Hans Roderweiss?)
製造番号:OE631
製造年:不明
レンズ構成:3群7枚 ゾナー型
重量:210g
最小絞り値:f16
絞り枚数:15枚
最短距離:1m
マウント:ライカスクリューマウント
     (宮崎光学による)

Lens Impression

カール・マイヤーはレンズメーカーの名称ではなく、レンズブランド名である。
米国シカゴの大手写真用品メーカーBurke & Jamesによって使用された。

同社は1897年にシカゴでHenry BurkeとDavid Jonesによって創業された企業で4x5、8x10などの大判カメラ、引き伸ばし器、カメラ用品などを製造していたが、1920年代に入ってGeorge Druckerがオーナーとなって1960年代後半まで経営を行った。特に第二次世界大戦後が同社の最も発展した時期で、シカゴの複数のビルにオフィスを構えていたようである。また、Georgeがオーナーであった頃、弟のAlbert Druckerも同社で勤務していたが、Albertは後にガンドラック(Gundlach Manufacturing Corp. of Rochester)のオーナーとなる。

Georgeは1927年にGoerzゲルツの持ち株会社を買収する。同社のドイツ国内部分は前年すでにツァイス、エルネマンなどとの大合併により、実質的にツァイスに吸収されていたが、持ち株会社の買収により、Georgeはゲルツの商標権と米国ゲルツを手に入れたことになる。しかし、この買収はあまり成功とは評価されていないようである。
Georgeの光学関係のパートナーとなっていたのが、Hans Roderweiss(1989年77歳で死去?)であり、同社の多くのレンズ製造に関わっていたと考えられるが、Hans名の特許などは見つからなかった。

1927年頃、同社の高品質レンズ群にふさわしい名称を考えていたGeorgeはそれにはやはりドイツ風の名称が良いと関係者に漏らしていた。すると妻の婦人科主治医が、「Karl Meyer」を提案した。カール・ツァイスとフーゴマイヤーの合体かどうかは不明であるが、Georgeはそれそ採用し、英語風に「Carl Meyer」と命名した。

謎多きブランド名であるが、かなり多種のレンズを供給しており、主要なものでも、Moviar, Anastigmat, Videostigmat, Speed, Reprostigmatがあるが、その中で、もっとも高速なレンズが「Speed」である。この「Speedレンズ」は高速撮影の専門分野でもしっかり認知されていたようで、下の表のように1962年の第5回「International Congress of High Speed Photograpy」において、カール・マイヤー 60mmf1.6レンズが登場した記録が残されている。
このCongressでは他に、「Farrand 76mmf0.87, TTH 50mmf0.8, Canon 50mmf1.2, Carl Zeiss 75mmf1.5, Nikkor 85mmf1.5, Bausch & Lomb 127mmf1.9, Kodak 178mmf2.5」などが使用機材として登場するかなりのレベルのものであった。さらに1966年のHigh Speed Photographyのレポートにカール・マイヤー 85mmf1.4が毎秒1万枚撮影の高速カメラに使用されたという記録も残されている。

レンズの生産については部品を複数のメーカーから取り寄せて組み立てたという話もあり、またボシュロム製であるという説もあるが、いずれも確認はとれていない。ただMoviar 5cmf1.0の中には先端部分がズノー5cmf1.1とよく似たものがあったり、VIDEO-STIGMAT 200mm f2.9がDallmeyer Pentac 8inch f2.9と同一視されているなど複数の海外企業からレンズバレルの供給を受けていたことは間違いないであろう。

1970年代初頭、まだ収益体質であったにもかかわらず、同社はGeorgeの手を離れ、Ilex Optical Co.に売却された。この経緯については不明であるが、この直後Georgeは大判カメラ製造用機材をシカゴ川に投げ捨てたというエピソードもささやかれるくらいであるので、十分納得のいく譲渡ではなかったのかもしれない。


 Photos with Carl Meyer Speed 60mm f1.5
 
2013
Yanagi-Bashi, Shinagawa post-town festival
(柳橋と品川宿場祭)

さすがのf1.5ゾナータイプの実力で、どの絞りでも非常に安定した描写をしめします。
開放では、若干顕著なフレアが画面全体に入りますが、これはオリジナルのゾナー以上です。
ただし、私にはとても好みのソフトさで、よくここまで残してくれたとさえ思います。
品川宿場祭りには、江戸時代の扮装をした人がたくさんいて、とても素晴らしい被写体になっていただきました。

This lens shows very stable description at any aperture because of the performance of Sonnar type.
I saw a little strong flare/halo at full aperture which is stronger than the original Sonnar f1.5
But it is my favorite type of softness and felt so grateful to the Lens Designer.
There were many people dressing up and making up as people at Edo Era who were very cooperative as the subject of my photo shooting.

 
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